歩留まりは、全体に対する成果の割合を示す言葉で、製造業においては投入した原料に対して完成品の割合などの意味になります。歩留まりを全体に対する成果の割合としたときには、「歩留まり率=実際の成果数÷全体の総数×100」の計算式で求めることができます。ICソケットも歩留まりが起きてしまうことがあるので、半導体製造において良否判定で本来合格品のものが不合格品になるなど歩留まり率への影響が起きることも少なくありません。ICソケットの歩留まりが起きる原因は、ICの端子に使用しているメッキがICソケットの端子に付着することやメッキに汚れが付いてしまうなどが挙げられます。
メッキの付着や汚れは、ICソケットの洗浄や再メッキで解決できますが、これらの作業を行っている間はソケットの利用ができなくなるので生産性に支障をきたすことも少なくありません。なお、ソケットの歩留まり率を改善するときの方法として、ESメッキや導電性カーボンコーティングなどやり方もあります。ソケットにESメッキ処理を施すことでESメッキとスズメッキ(Sn)が合金化状態になるので、酸化層を形成しにくくなり半田が付着しても接触が安定するようになります。さらに寿命そのものが長くなるのでコスト削減にも良い影響を与えてくれるわけです。
ICソケットに誘電性カーボンコーティングを行うことで半田転写の防止にもなるので、半田を付着させることなく接触抵抗が上がらないなど高寿命化への実現が可能です。