近年、自動車の電動化や環境に配慮した省エネや省電力化への要求が高まっていることからインバーター回路に使用されるパワーICの需要が高くなっています。インバーター回路は直流電源を交流電源に変換するための装置、太陽光発電システムのパワーコンディショナーの心臓部分といっても過言ではありません。パワーICに求める性能が上がると同時にICソケットにも同じようなことが求められるイメージですが、ICソケットにおいては以前と比べても大きな電流に耐えられることが必須です。仮に、大電流に対応していないICソケットを使うとコンタクトピンが溶けてしまうなどのトラブルが起こりやすくなりますし、大電流が流れることでパッケージそのものの温度上昇が起こるので熱暴走のリスクも高くなるなどヒートシンクの必要性も高まります。
自動車の電動化などにより大きな電流に耐えるICソケットが欠かせない状態になったことから、大電流対策は欠かせない存在です。ICソケットの大電流対策はより多くのコンタクトピンを接触させる対策が一般的、これと同時にピンそのものが大電流に耐えなければ意味がありません。大電流対策を行っているソケットの一つに板バネケルビンコンタクトソケットと呼ぶものがありますが、これはケルビン接触で高耐電流の要求に対応可能にしている製品です。ケルビン接触とは抵抗測定における4端子法、電流が流れる配線とは別に、電圧を測定する配線などを設けて電圧を測定する配線を負荷に接続するなどの特徴があります。