最近は、半導体分野の中で高周波技術の重要性が高くなっているといわれていますが、IoTや5G通信などのような高速で大容量の通信においては従来よりもさらに高い周波数帯域で動作する通信用半導体のニーズが高くなっています。例えば、デジタルトランスフォーメーション化(DXシフト)やクラウド化など、これらの進展でサーバーおよびクライアント側はCPUやGPU、SOCなどについて高い処理能力が求められていること、これに伴ってコア数が増えて動作周波数も向上するなどの特徴があります。ちなみに、家電品やスマートフォンなどに使用される集積回路はCPUではなくSOCと呼ばれるもので、システムを動作させるために欠かせないパーツが組み込まれているものです。自動車産業の分野において、EV化や自動運転化が行われているわけですが車載のレーダーに使用されるデバイスについては80GHzといった具合に高い周波数で動作するのが特徴です。
このように高周波数で動作するICを評価したり、検査したりする際に利用するICソケットも高周波に対するスペックが求められるようになりました。なお、ICソケットの高周波対策にはコンタクトピンの長さを可能な限り短くすることが有効とされます。さらに、より高い周波数帯域の場合はインピーダンスマッチングが重要です。このとき、電磁界解析を利用して高周波特性を得ることができるピン形状を採用しなければならないなど特殊な技術と経験や実績から得たノウハウがICソケット開発に欠かせない存在になって来ます。